
双日、中古車の「外装スキャナー」と「事故歴診断レポート」を発表
~中古車流通の透明性を高める新しいデジタル診断サービス~
双日株式会社は2025年6月、AI技術を活用した中古車向けの新サービスとして「外装スキャナー」と、Bosch社と連携した「事故歴診断レポート(Bosch Car History Report)」を発表しました。傷・修復歴・事故歴を客観的データで把握できる仕組みを整備し、中古車流通の透明性と公正性の向上を目指します。
目次
1. 外装スキャナーとは?
双日とAI企業 Preferred Networks(PFN)が共同開発したドライブスルー式の検査装置で、車両の外装全体を短時間でスキャンし、傷・へこみ・さび・再塗装跡を検知します。特に目視で判別が難しい「白・シルバー・グレー車の再塗装跡」を可視化できる点が強みです。

項目 | 仕様・内容 | 補足 |
---|---|---|
サイズ | 幅5m × 高さ3.6m × 奥行1.2m | 既存検査レーンに後付け設置可能 |
検査時間 | 約30秒/台 | 処理後に検査表生成(将来機能) |
検出項目 | 傷・へこみ・さび・再塗装跡 | 淡色車の再塗装跡可視化に強み |
2. 事故歴診断レポート(Bosch Car History Report)
双日は、ドイツの大手部品メーカーBoschが提供する「Bosch Car History Report(BCHR)」を日本国内で代理販売。車両のイベントデータレコーダー(EDR)をBoschの解析ツール「クラッシュデータリトリーバル(CDR)」で読み出し、事故時のデータから事故歴を評価します。国内外74ブランド・100車種以上に対応し、警察や裁判における証拠資料としての活用実績があるとされています。
3. なぜ重要なのか?
- 修復歴の表示義務に応える客観的なデータの提供
- 検査員の目視に依存した判定のばらつきや人員不足の緩和
- 中古車購入者に対する透明性の高い情報提示
- 販売事業者・オークションにおける検査効率と信頼性の向上
まとめ
双日の「外装スキャナー」と「事故歴診断レポート」は、中古車の状態をデータで示す取り組みの拡張です。2025年秋の実証を経て、2026年春の本格導入が見込まれ、修復歴・事故歴の客観的な確認が一層進むと期待されます。
参照元・出典
- 双日株式会社「外装スキャナー/事故歴診断レポートに関する発表」(プレスリリース)
- Bosch「Crash Data Retrieval(CDR)/ Bosch Car History Report」製品情報
※本記事は公開情報に基づいて編集・要約したもので、仕様・開始時期は今後変更される場合があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 外装スキャナーはどの程度の時間で検査できますか?
A. 公表情報によれば、1台あたり約30秒でスキャンします。
Q. BCHR(事故歴診断レポート)はどの車種に対応していますか?
A. 国内外74ブランド・100車種以上に対応とされています。最新の対応範囲は販売窓口へご確認ください。
Q. データの公平性は担保されますか?
A. 目視に依存していた領域を数値化・可視化することで、検査のばらつきを抑える効果が期待されます。